新教会法典・第460条に基づく会議
皆様お元気でしょうか。鹿児島教区では、今年10月に「教区代表者会議」を開くことが決まりました。これは、原語では、「シノドス」(ともに歩む、の意)と言われ、教会法では、「教区共同体の全体の全益のため、教区司教を助けることを目的として選出された部分教会(教区)の司祭およびその他の信者の集会をいう」(カトリック新教会法典、第460条)と説明されています。
カトリック教会は歴史の中で、教皇の招集のもとに全世界の司教が集って、時勢に相応しい教会像を策定するために公会議を開いてきました。因みに最近の公会議は、第2バチカン公会議(1963~1965)で、第20回目でした。
しかし、激しい時代の変化によって生じる諸問題に対処するため、第2バチカン公会議後、教会は約3年に1回の割合で、世界代表司教会議(シノドス)を開くようになりました。つまり、公会議は、概して100年に1回程度ですが、シノドスはその公会議で策定された方向性をより確実に現実化するために、小規模ながらより頻繁に開催されているのがその特徴であるといえます。
事前準備が大切、間もなく質問状が届く
この開催方法は、開会の日に代表者がただ漠然と参集するのではなく、約1年前にシノドス事務局からテーマについての情報収集のための質問状が来ます。例えば、「青年司牧」がテーマだとすると、あなたの教区では、青年司牧についてどのような問題があるとか、どんな現状が存在するかなどです。その質問に対する回答の集計は、各国の司教協議会でまとめられ、事務局に返送されます。事務局は世界中から集められた、回答を整理して、討論しやすいように秩序付けます。それがいわゆる「討議要綱」というもので、それをテキストとして、本会議が開催されるという段取りになります。
会議は通常2~3週間にわたって、全体会と分科会を繰り返しますが、最後の全体会で教皇に提出する提案を絞り込みます。提案の数は、通常50~100個程度になるようです。教皇は、それらの提案に目を通した後、半年から1年後に、自分の言葉で、「使徒的勧告」というタイトルの文書を発表します。これが、実質的には提出された提案への教皇の回答といえます。
こうして、教会は常に、現代社会の動きに連動しながら、この世で教会の使命を果たしていけるかを検証しているのです。私はこのような作業を鹿児島教区でもやってみたいと思っています。教区は小さくても世界規模で実施されている方法論は、ともに歩むという意味のシノドスの精神が生かされる限り、教会の存在理由である福音宣教のために有効な手段であると思います。
そういうことで、間もなく、代表者の皆様のお手元に最初の質問状が届くと思います。お楽しみに!