教区の皆様お元気でしょうか?
2月16日(日)教区シノドス推進部会の初会合が開かれました。今回は、宣教部会の目指す事柄について、お話しします。
教皇ベネディクト16世は、回勅「神は愛」の中で、愛を表すギリシャ語には「エロス」と「アガぺー」があることを指摘し、その違いを概ね次のように説明しています。「エロス」は元来、宗教用語で、神への最高の捧げ物とその精神を指しており、一方「アガぺー」は人間に向かってどこまでも下っていく神の行為を指していると説明しています。
人間に対する徹底した奉仕を目指す
典礼部会が目指す事柄は、神への自己の奉献でしたが、宣教部会は、基本的な精神として、人間に対する徹底した奉仕を目指すものと考えています。ただ、宣教という言葉は、「福音を宣べる」という意味ですが、言葉と行いで、福音を宣べ伝えることを「福音宣教」と考え、愛の実践は「福音化」という表現の内容であると理解したいのです。つまり「信仰部会」では、言葉と行いのわざを実践する部会であるのに対して、社会に福音を行き渡らせるという意味で福音化という言葉を使いたいと思います。
現代世界憲章序文の言葉を基本に据え
ではその対象は何かというと、現代世界憲章の序文の言葉です。
「現代の人々の喜びと希望、苦悩と不安、とくに貧しい人々とすべての苦しんでいる人々のものは、キリストの弟子たちの喜びと希望、苦悩と不安でもある。真に人間的なことがらで、キリストの弟子たちの心に響かないものは何もない。」
ローマ教皇庁はこの精神を実践するために、3つの部署に統合しています。
①信徒・家庭・いのち部署(信徒評議会と家庭評議会の統合)
②人間開発のための部署(正義と平和評議会、開発援助促進評議会、移住・移動者司牧評議会、保健従事者評議会の統合)
③広報のための評議会
これらの部署の受け皿として、日本の司教団は、中央協議会のなかに、新福音化委員会、社会司教委員会(難民移住者委員会、カリタスジャパン、正義と平和委員会、部落差別人権委員会、子どもと女性権利擁護のためのデスク、HIV/AIDSデスク)を設けています。
鹿児島教区は上記の委員会が発行する諸文書の受け皿として、種々の担当を決めています。(鹿児島教区役職・担当一覧参照)これは、日本の教会とできるだけ連動して動くためです。
信徒使徒職は社会への愛の行為のため
最後に、信徒使徒職について、お話しします。
40年以上前に受洗し、教会で活躍なさっていた信者さんには懐かしい言葉だと思います。「奄美カトリック女性連盟」とか「連合壮年会」などの組織は、この信徒使徒職に該当します。他のグループとして「レジオ・マリエ」「修道女連盟」「看護協会」などがあります。(上記一覧表参照)これらのグループの特徴は、信者の内、同じ職種でまとめてグループです。
元来、カトリック・アクションと呼ばれるもので、およそ150年前から西欧で始まられたものです。時代的背景としては、西欧で、共産党思想が労働者階級に広まり、信者の教会離れが進みました。その流れに抵抗するためのカトリック教会内のいわば組織固めでした。
現在では鹿児島教区が制度化している「班制度」との整合性を検証しなければならない時に来ています。私個人としては、信徒使徒職は、その存在理由を対社会へ向けた愛の行為として、理解すべきだと考えています。