9/1~10/4 すべてのいのちを守るための月間
日本の司教団は、本年2月の定例司教総会において、日本の教会として2020年より、毎年9月1日から10月4日までを、すべてのいのちをまもるための月間」とすることを決めました。
この趣旨と目的は、フランシスコ教皇訪日にこたえる一つの方法であるとされています。ところで、昨年の教皇の訪日のテーマとは「すべてのいのちを守るために」でしたが、訪問中に発表された講話の中では直接的には触れませんでした。このテーマは、いわゆる、地球環境保護問題に言及するものですが、フランシスコ教皇の掲げる主要テーマです。
私たちの行動原理にまで、反省を促すものです
このテーマは、2015年5月24日発布の回勅「ラウダ︱ト・シ」(ともに暮らす家を大切に)以来、2015年9月に開催された国連総会で採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)に影響を与え、2020年2月2日発布の使徒的勧告「クエリーダアマゾン」(愛されているアマゾン〈試訳〉)でも同じテーマが取り上げられています。
教皇が取り上げているこの「地球環境保護」というテーマは、単に、物理的な地球の生態系の変化のことを指しているのではなく、それは人間性の破壊に及ぶものであり、したがって、私たちの行動原理にまで、反省を促すものであります。
2020年7月22日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する教皇の説教集「パンデミック後の選択」が発刊されました。その中で教皇は次のように言っています。
「パンデミックからの遅々とした困難な回復を待っている今は、遅れて背後にいる人々を忘れる危険があります。より悪質なウイルス、無関心なエゴイズムというウイルスに侵されるかもしれない危険です。自分にとってよければ生活が改善しているという考え、自分にとってよければすべてよしという考えによって拡散されるウイルスです。
そこから始まり、とどめは、人を選別し、貧しい人を切り捨て、発展という祭壇に後進の者を犠牲として供するのです。ですが、今回のパンデミックが思い出させてくれるのは、苦しむ人の間には、違いも隔たりもないといことです。」(同上60ページ)
それぞれで、次のことを考えてみましょう
最後に私は、いくつかの問題提起をします。皆さん考えてみてください。
日本では、新型コロナウィルスの感染拡大が、丁度灰の水曜日ぐらいからから始まったのは、とても意義深かったと思います。四旬節は主キリストの復活で終わります。復活の主への信仰を新たにいたしましょう。
鹿児島カトリック教区報2020年9月号から
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