鹿児島教区司教 中野裕明
教区の皆さま、新年あけましておめでとうございます。2025年通常聖年も閉幕し、教会は新たな目標を掲げて前進することになります。
年頭にあたり、私は鹿児島教区目標として「福音宣教する教会づくり」を掲げたいと思います。
復活されたイエスは、弟子たちを宣教に遣わすにあたり、次のように仰せになりました。
「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28・18〜20)
イエスはこの宣言が空文に終わらないために、弟子たちに、御父とご自分の霊である聖霊を遣わして、教会を設立なさいました。従って、地上にある教会の使命は、必然的に上記のイエスの宣言を実行することにある、と言えます。
ところで、鹿児島教区の創設は、長崎教区からの分離がその起点になります。
教会法的には鹿児島使徒座知牧区認定がありました。それは1927年(昭和2年)のことで、来年(2027年)が創設100周年にあたります。
使徒座知牧区に認定されたころの信者数は4,728人と記録されています。現在は7,800人台です。
100年の歴史を持つ鹿児島教区ですが、この100年間で信者数の伸びは、1.7倍弱だと言えます。
この数字が、多いか少ないかは別として、キリストの福音が教区中に行き渡る余地は十分あることは確かです。
そこで、知牧区創設100周年を1年後に記念するにあたり、いくつかの努力目標を提示いたします。
- 小教区共同体の優先課題として、いまだにキリストの福音に触れることの無い人々を教会に招き入れること。
- カトリックの名を冠している幼稚園、中学・高等学校、大学、社会福祉施設等が、神の愛の実践の場として機能するよう教会全体として祈り、支援していくこと。
- 知牧区100周年を迎える鹿児島教区民として、今日まで頂いてきた教区内外、さらに国内外からの多大な霊的・人的・経済的援助に対して衷心より感謝申し上げるとともに、教区として、財政的に自立する決意を新たにすること。
- 益々国際化の進む日本社会の現状を踏まえ、教会の特性の一つであるカトリック性(普遍性)を発揮し、多文化共生社会のモデルを教会共同体で実現できるようにすること。
- 最後に鹿児島使徒座知牧区に認定されてから、教区長として、その成長・発展にご尽力下さった歴代の教区長方のために感謝と天の御父からの豊かな報いが得られるように祈ること。
歴代教区長は以下の通り。
- エジド・ロア神父(フランシスコ会カナダ管区)
1927〜1936年在任(以下、同じ) - パウロ山口愛次郎神父(長崎教区出身)
1936〜1940年 - フランシスコ出口一太郎神父(長崎教区出身)
1940〜1955年 - ヨゼフ里脇浅次郎枢機卿(長崎教区出身)
1955〜1968年 - パウロ糸永真一司教(長崎大司教区出身)
1970〜2006年 - パウロ郡山健次郎司教(鹿児島教区出身)
2006〜2018年
新年が神様の豊かな祝福で満たされますように。