門田明氏の鹿児島とキリスト教⑱
これまで、フランシスコ・ザビエルの来日と離日、他界までを話してきた。これから、ザビエル以後の宣教師渡来とその働きに話を進めたい。
なお、ザビエルの事跡については、河野純徳神父の著書『聖フランシスコ・ザビエル全書簡』(平凡社・1985)と『聖フランシスコ・ザビエル全生涯』(平凡社・1988)に、とくに教えられるところが多かった。感謝の気持ちを表明し、あわせて紹介しておきたい。
さて、ザビエル以後の来日宣教師については、池田敏雄『人物中心の日本カトリック史』(サンパウロ・1988)に教えられるところが多かった。というより、ほとんどの知識をこの本から授かったというのが事実である。主題に関係ある人々の伝記をつないで、特定の分野の歴史を記述する方法は、新鮮で勉強が楽しかった。
勿論この本でも、日本のキリスト教の発足はザビエル(1506~1552)から始まる。次にルイス・デ・アルメイダ神父(1525~1583)の名が挙げられる。私も今ここで、アルメイダを取り上げ、学んでゆきたい。
アルメイダは1525年ポルトガルのリスボンに生まれた。長ずるに及んで外科医を志し、1546年医師の資格を取得し、二年後貿易商兼医師としてインドのゴアに渡った。
その後さらに日本に向かい、1552年種子島に上陸した。それから平戸、山口を経て大分に移り貿易に従事していたが、イエズス会の宣教師に接するうちに、宣教師の仕事に強く引かれるようになった。
こうしてアルメイダは自分の財産の一部で孤児院を建て、残りをイエズス会に布教費として寄付し、孤児や病人の世話を献身的に行っていたが、やがて自らもイエズス会に入り修道士となった。そして西洋医学の知識を周囲の人々のために存分に役立てることになった。(未完)(玉里教会信徒・ザビエル上陸顕彰会会長)
鹿児島カトリック教区報2008年2月号から転載