教区シノドス関連

教区シノドス これからどう進む--- ⑦

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教区シノドス推進会事務局 長野宏樹

「目標」にしたい小教区像

1.めざす教区の姿

昨年2月発行された「教区代表者会議(シノドス)報告(提言書3ページ参照)で司教様は「私は司教叙階にあたって『まず、神の国とその義を求めよ』をモットーとして選びましたが、具体的には次のような教区の姿を目指したいと思います。それは、アジア司教協議会連盟が1980年に打ち出し、1998年開催された「アジア特別シノドス」によって再確認されたものです。

(1)「参加する教会」=キリストの神秘体の一部として教会の成員すべてが、その召命に応じて奉仕する教会を目指します。

(2)「交わりの教会」=イエス様の最後の晩餐での遺言は、交わりと一致でした。教会を取り囲む環境は、社会との交わり、外国からの移動信徒との交わりを増々必要としています。

(3)「福音化(福音宣教)する教会」=洗礼の恵みをいただいた私たちにとって「福音化」は私たちの義務であり、権利でもあります。そのためには、まず自分が福音化され、自分の共同体が福音化されて、まだキリストを知らない人々にキリストを伝えることが必要だからです。」と述べられました。

このシリーズでは、これまでに5つのタイプの小教区像をながめてきました。そして、私たちが目ざすべき小教区像とは第5番目の「小共同体で結ばれた小教区」の姿であるに違いない、との思いを強めてきました。提言書で司教様が提示されためざす教区の姿は、まさにこのタイプの小教区の中で実現されるのではないでしょうか。

2.目標実現への歩み

そんなことを聞けば、次のような疑問がふつふつと出てくるのではないでしょうか。
「小共同体で結ばれた小教区」であれば、なぜ司教様が言われる「参加する教会」「交わる教会」「福音化(宣教する)教会」が実現できるのか、という疑問です。前回提示した絵を思い起こしていただけば分かるように、それぞれの小共同体は復活したキリストを中心として集まり、「み言葉の分かち合い」を行います。ここに秘密が隠されているのです。

小共同体の集い(班集会)に参加することを通して互いに顔見知りになり、「み言葉の分かち合い」を通して信仰の交わりを深め、親睦会などを通して家族ぐるみの親しい交わりを持つことができるようになります。これが少しずつ大きな輪となり、小共同体同士や小教区内、ひいては近隣の小教区や教区全体との交わりの輪となって広がっていくのです。

「み言葉の分かち合い」については後日詳細を紹介していく予定ですが、その中で、各々のメンバーは神様から与えられたタレントに応じた活動をするようにと促されます。そして彼らは、教会の活動に積極的に参加するようになり、応分の責任を自分も担うことができるようになっていきます。

小共同体の集いでの「み言葉の分かち合い」を通しておのずと信仰の養成ができる仕組みになっているので、一人ひとりが信仰における喜びを体験していきます。そして、その喜びに満ち生き生きとした信仰者としての姿が、周囲の人々にもよい影響を与え、神の愛のすばらしさを積極的に伝える結果にもつながります。

このようにそれぞれの小共同体が生き生きとしてくることにより、小同体の集合体である小教区全体が活性化され、それが教区全体にも波及し、司教様が提示された「めざす教区の姿」にも近づくことができると信じてまいりたいと思います。

3.小共同体の四つの要素

長い歴史と伝統とに培われてきた鹿児島の教会では、これまで班会(班集会)を続けてきているので、いまさら「小共同体」などというものを持ち込む必要はない、ということばも耳にしたりします。その声には誤解や理解不足に基因する面も含まれているように思えますので、確認の意味も含めて、小共同体の「四つの要素(特徴)」についていま一度思い起こしてみたいと思います。

真の「小共同体」となるために不可欠な四つの要素、というものがあります。

①まず第一に、生活の場(家庭、職場など)で一緒に集まります。信心会などは聖堂や信徒会館などに集まって会合を開きますが、小共同体のメンバーは、基本的には近隣の人たちがそれぞれの生活の場で集まります。そして、できるだけ多くの家庭が順々に自分の家を提供できるようになるのが理想的です。集会は、定期的に行われます。年に一度だけ会うという程度では、理想的な小共同体にはなり得ないでしょうし、2週間から4週間に一度くらい集まれば、より効果が上がることでしょう。

②第二に、「み言葉の分かち合い」をします。そこで彼らは、イエスご自身と出会います。そして、復活されたキリストご自身の現存を、自分たちの集いの中に、また参加者一人ひとりの中に強く感じることができるのです。この定期的な「み言葉の分かち合い」を繰り返しながら、参加者たちは、キリストとの個人的な親しい交わりの中で日常生活を送ることができるようになっていきます。そのときに用いる聖書は、初めのころは四福音書がよいといわれています。そしてそれに慣れてきたら、他のいろいろな箇所からも選ぶことをお勧めします。

③第三に、活動をします。小共同体のメンバーは、自分一人ではできないようなことでも、お互いに助け合いながら、グループ単位でなら行えるようになります。地域の出来事にも関心をもち、社会活動などにも積極的に関っていけるようになります。隣人の中におられるキリストを見つめ、現代社会の中で精力的に活動しておられるキリストのお手伝いをさせていただきたくなるからです。

④第四に、常に教会と一致しています。それぞれの小共同体は、小教区共同体と固く結ばれていなければなりません。さらに、教区や普遍(カトリック)教会全体とも一致しながら自分たちの活動を行っていく必要があります。

私たちが以上の「四つの要素」をすべて備えた小共同体(班)を作り上げることができれば、司教様が提示されためざす教区の姿にも近づけるのではないでしょうか。

4.教皇様のことば

教皇ヨハネ・パウロ二世は、1999年11月に、「アジアにおける教会」と題する使徒的勧告をインドで発表なさいました。

これは、21世紀に向かおうとする教会が2000年の大聖年を迎える準備の一環として教皇様が開催された、五つの大陸ごとの特別シノドス(代表司教会議)の一つである「アジア特別シノドス」の実りを、アジアの教会および全世界の教会と分かち合うことを意図して発表されたものです。その中で教皇様は、次のように述べておられます。私たちが目標とする教会像は、全教会がめざしているものでもあるのです。

※「教会基礎共同体(小共同体)は、小教区と教会における交わりと参加を促す効果的な手段であり、福音化のための本物の力です。これらの小さなグループは、初期のキリスト者のように、信じ、祈り、愛する共同体として生きることができるように信者を助けます。そしてその目的は、そのメンバーが兄弟的な愛と奉仕の精神のうちに福音を生きるように助けることにあります。したがって、教会基礎共同体は、愛の文明の現れである新しい社会を建設する確かな出発点なのです。」(使徒的勧告「アジアにおける教会」25項参照)

鹿児島カトリック教区報2021年4月号から転載

【図解】目標にしたい小教区像

この記事を読んだ信徒の方から「目標にしたい小教区像」図解の提供を受けましたので、皆さんの便宜に供したく掲載いたします。個々人はもちろん、小教区やグループなどでの分かち合いにご活用ください。

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