教区シノドス関連

教区シノドス これからどう進む -- ⑬ み言葉の分かち合いとは (6)

投稿日:2021年9月26日 更新日:

教区シノドス推進会事務局・長野宏樹

活動計画と感謝の祈り(第六、七段階)

「み言葉の分ち合い」の集いでは、聖書のみ言葉についての分かち合いが終わると、第六段階としてこれまでの自分たちの日常生活や今後の活動などについての話し合いを行います。この段階は、これまで実施してきた班集会の内容と同じものだと考えればよいでしょう。

それまでの五つの段階は、六段階での話し合いを神のみ旨に沿って行えるようにするための、いわば準備段階のようなものだ、と言われることがあります。また、班(小共同体)活動が活気あふれたものになれるかどうかは、この段階での話し合いの成果いかんによる、と耳にしたりもします。

そこで、その内容について少しながめていくことにいたします。

1.活動報告

私たちが神からゆだねられた自分たちの使命を果たそうと思っても、何をどのようにすればよいのか戸惑うことがよくあります。そこで、この段階を活用して、そのための話し合いをするのです。

まず最初に、前回の集いで決めていた「活動計画」の実施状況についての報告を行っていきます。計画どおりに行えたという報告だけではなく、思いどおりにはならなかったという報告もなされていきます。そして必要であれば、どうしてそういう結果になったかについてもみんなで話し合います。

小教区司牧評議会からの連絡事項があればここで行うとよいでしょう。

2.今後の活動についての話し合い

この段階は、私たちが神のみ言葉を実行できる人間になれるためのお手伝いをしてくれる重要な段階でもあります。これまでの体験や活動の報告がすんだら、これからどんな活動をしたらよいかについての分かち合いに入ります。

テーマは、その日に使用した聖書の内容とは直接関係がないものになることが多いと思います。自分たちの班(小共同体)固有のテーマもあれば、小教区からすべての地区や班などに検討を依頼されているテーマがあるかもしれません。何をその日の分かち合いのテーマにするかは、進行係(または班長さん)が前もって準備していたものも含めて、参加者全員の合意によって決まることになります。

たとえば、新年会をどうするかとか、二週間後の日曜日のミサの共同祈願をこの班が担当することになっているが、どういう形で対応すればよいか、あるいは、班の二人のお年寄りが入院しているが、誰か見舞いに行ける人はいるか、などのテーマの中から選ばれることもあるでしょう。

それぞれのテーマについての分かち合いの結論は、全員の合意にもとづいて出されたものでなければなりません。すなわち、誰が、いつ、どのような形で担当するか、ということについても、本人の同意のもとに、全員で合意しておくことが大切です。そうすることで、担当者はみんなの代表者であるという自覚を持って行動できるし、次の集いでの結果報告にも全員が強い関心を持って耳を傾けるようになるでしょう。

3.さまざまな会合での活用

小教区評議会などのさまざまな会合の場でも、「み言葉の分かち合い」の第1~第4段階を活用したほうが効果的だといわれています。そのやり方については事前に根回ししておき、そのために15分くらいを当てるのがよいでしょう。

第4段階の「沈黙の時間」が終わったら、すぐにその会合のために準備しておいた案件についての話し合いに入ります。この部分からは、普段の会合どおりに進めていけばよいのです。

みことばの分かち合い

上の絵は小教区評議会の会合に「み言葉の分かち合い」を組み入れた様子を表したものですが、会合の初めに聖書を朗読したり沈黙の時間をとったりすることによって会合の時間が長引く、と感じる人がいるような場合は、「み言葉の分かち合い」の精神が理解できるよう前もってよく説明しておく必要がありますし、会合の終わる時間はきちんと守るよう努力しなければなりません。

会合を「み言葉の分かち合い」で始めるならば、メンバー一人ひとりの個人的な霊性も高まり、その日の議案についても福音の精神にもとづいて話し合えるようになるでしょう。

その日の議案に対する結論を出すには苦労するだろうと予想されるような場合は、その議案の解決に効果がありそうな聖書の個所を前もって準備しておき、「み言葉の分かち合い」を活用してみんなが神の意向を聴くことができるように努めます。

この形の会合を根気よく続けていくならば、メンバーは気づかないうちに、ただ与えられた仕事や行事を処理するだけではなく、神のみ業に対する共同の責任を委ねられた者として、案件についても慎重に話し合えるようになっていくに違いありません。

4.感謝の祈り(第七段階)

第6段階の活動計画のところで具体的な話し合いを続けていく中で、激しい議論を戦わせたりして、いつの間にか祈りの雰囲気がなくなってしまったと感じるようなことがあるかもしれません。たとえそのようなことがあっても、「話し合い」を締めくくる際には、その日の集いはキリストを中心にして行われたものだったことを思い起こす必要があります。

「み言葉の分かち合い」は、祈りで始まり、祈りで締めくくります。最初の段階では主をお迎えする「お招きの祈り」をしましたが、最後は、「感謝の祈り」や「決意を表す祈り」「仲間や求道者のための祈り」などをすることになります。それは、最初の段階のときと同じように、自発的な「自由な祈り」であれば効果は倍増されるでしょう。

出来るだけ全員が感謝の祈りを行うようにしたいものです。各人が感謝の祈りをしたら全員で「主よ、私たちの祈りを聞いてください」と唱えます。

おわりに聖歌や「主の祈り」または「アヴェ・マリアの祈り」などで集い締めくくりましょう。

最後に注意したいことは、途中で雑談や、隣の人とのひそひそ話で霊的な雰囲気が崩れないように気を付けたいものです。

鹿児島カトリック教区報2021年10月号から転載

【まとめ】活動計画と感謝の祈り(第六、七段階)

この記事を読んだ信徒の方から、活動計画と感謝の祈り(第六、七段階)まとめ、の提供を受けましたので、皆さんの便宜に供したく掲載いたします。個々人はもちろん、小教区やグループなどでの分かち合いにご活用ください。

ダウンロードはこちらから

お勧めの記事

中野裕明司教の紋章 1

8月15日は「太平洋戦争終結の日」であり、「聖フランシスコ・ザビエルによる日本へのキリスト教伝来」の日であり、「聖母被昇天の祭日」でもあります。これらの出来事において、「天の父の御心」が実現した日であることを感謝し、世界の紛争地に1日も早く平和が実現するように祈りましょう。

中野裕明司教の紋章 2

教皇フランシスコは、多くのキリスト信者の心を覆っていた「正義の神」、「裁く神」のイメージが「いつくしみ深い神」というイメージに転換することを強く望んでおられます。ミサの式文の中では祈りの冒頭に「いつくしみ深い神」が多用されていることに気づくのではないでしょうか。

中野裕明司教の紋章 3

6月は「イエスの聖心の月」です。イエスの心臓が茨の冠で拘束されながらも愛の炎を燃え上がらせているご絵を思い浮かべてください。このような熱い愛を、洗礼の恵みを私たちは受けているのです。

中野裕明司教の紋章 4

5月は聖母月。19日に聖霊降臨の祭日を祝います。復活節はこの日をもって終わります。教会の誕生日である聖霊降臨の日、新信者は、父である神、子である神、神の母である聖母を頂く家族の一員であることを喜んで自覚するのです。

中野裕明司教の紋章 5

私たち人間と神の子イエスとの関係は、「洗礼を受けることによって、人間となられた神であるイエス・キリストに固く結ばれる」ことだということです。

-教区シノドス関連
-

Copyright© カトリック鹿児島司教区 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.