司教執務室だより

12月8日から「いつくしみの特別聖年」

投稿日:

8月と言えば聖母被昇天、ザビエル様鹿児島上陸、お盆、そして終戦記念日。今年は戦後70年の節目に当たることから政治的にも話題が多い。

鹿児島教区としては、今年も、鹿児島ユネスコとの共催で15日の12時に「平和の鐘を鳴らす」ことになっている。ザビエル上陸記念祭実行委員会の議事録によると、今年は、それまでに、3時間にわたる聖体礼拝や講演会も予定されていて、特別な感じがする。

特別な感じと言えば、8月15日が教会とかかわりの深い日であるのと同じように、真珠湾攻撃によって日本が米英に宣戦布告したのも、マリア様が無原罪の御宿りであることが教義として公認されたのも同じ12月8日。

日本が身の程知らぬ暴挙に出て日本はもちろんアジアの人々を取り返しのつかない阿鼻叫喚の世界に突き落としたのも、原爆という鉄槌を下されてやっと目が覚めたのもマリア様の記念日というのは、やはり特別な感じがするのだ。ことに、平和憲法を変えようとすることが近隣諸国の人々にかつての悪夢を蘇らせ、不安を増幅させていることに気付こうとしない現政権の姿は、真珠湾の暴挙と重なる。

イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔

イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔

そんなじくじたる思いでいるところにフランシスコ教皇の「イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔」が届いた。12月8日から始まる「いつくしみの特別聖年」のいわばキャンペーン書。聖年のモットーが「御父のようにいつくしみ深くー」であると述べられ、カテドラルやその他の主な教会で「いつくしみの扉」を設置するように呼びかけておられる。鹿児島教区でもぜひ設置したいと思う。そして、戦後70年を特別の年にしたい。

何よりも各自の心の中で平和の鐘が鳴るとき神のいつくしみも平和もやって来る。

お勧めの記事

2025年聖年ロゴマーク 1

教皇フランシスコは、今年の主の昇天の祭日に2025年の「聖年」公布の大勅書『希望は欺かない』を発表しました。それで今回は「聖年」についてお話しします。聖年とは1300年に教皇ボニファチウス8世によって始められたカトリック教会の一大イベントです。

中野裕明司教の紋章 2

利害関係で構築されている政治の世界であっても、少なくとも神の国の価値観、すなわち「真理と生命」を大事にする政治家が増えることを願ってやみません。

中野裕明司教の紋章 3

鹿児島教区司教 中野裕明 「対話を通しての宣教」について 教区の皆さま、お元気でしょうか。 今回は「世界宣教の日」(10月20日)に因み、「対話を通しての宣教」についてお話しします。 さて、カトリック ...

中野裕明司教の紋章 4

鹿児島教区司教 中野裕明 「被造物を大切にする世界祈願日 すべてのいのちを守るための月間」について 教区の皆さま、お元気ですか。今回は日本の司教団が制定している「被造物を大切にする世界祈願日 すべての ...

中野裕明司教の紋章 5

8月15日は「太平洋戦争終結の日」であり、「聖フランシスコ・ザビエルによる日本へのキリスト教伝来」の日であり、「聖母被昇天の祭日」でもあります。これらの出来事において、「天の父の御心」が実現した日であることを感謝し、世界の紛争地に1日も早く平和が実現するように祈りましょう。

-司教執務室だより
-

Copyright© カトリック鹿児島司教区 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.