司教執務室だより

マリアさまに倣う月

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五月と言えば、信者にとってはなんといっても聖母月。北国では、長い冬が終わって花の季節となるのが五月。一年で一番美しい季節にマリアさまを記念するのはふさわしい。

美しいと言えば、先日、何気なく目にした記事のタイトルは「美しい経営」。畑違いながら、「判断するときぶれない軸があること」だと聞けば、何となく分かるような気がする。また、「いい商品はシンプルで美しい」ともあった。

淡々といつも変わらずに自分の病状を語っていたTさんのことが思い出される。きっと苦しかったに違いないのだが、苦しそうな表情を見せず、したがって、深刻さが伝わってこないので、「それって、あなたのことですよね」と聞きたくなったほどだ。あの社長さん流に言えば、ぶれることのない軸をしっかり持った美しい信仰生活だったと言えよう。しかし、ぶれないTさんの信仰はこれまでの沢山の辛い体験を通して身につけたものに違いない。

また、「いい商品はシンプルで美しい」という社長さんの言葉で思い出されるのはマリアさまの「なれかし」だ。商品を引き合いに出すのは、どうかと思うが、美しさにかけては、マリアさまのなれかしにしくものはほかにない。十字架の丘に至るまで何百回となく繰り返されたであろうマリアさまのなれかしは、「父よ、私の霊を御手にゆだねます」という主の最後の言葉で完結したことになる。マリアさまから受け継がれたなれかしは一貫して御父のみ旨に殉じるぶれることのない信仰告白だったからだ。世を救うシンプルな言葉、なれかし。

復活を祝ったばかりの私たちにとって五月は、ぶれることのなかったマリアさまと復活の主に倣う月。もっとも美しい季節となるように。

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