門田明氏の鹿児島とキリスト教

ザビエル日本と出会う

投稿日:2006年9月1日 更新日:

門田明氏の鹿児島とキリスト教⑤

これまで、日本からの目でザビエルを語ってきた。一方、ザビエルもまた、日本の存在を知り、日本を求めていた。これから、ザビエルの目でその事情を辿ってゆきたい。

1548年1月20日、コーチンからローマに宛てた手紙で、ザビエルはこう言っている。
「マラッカの町にいた時、私がたいへん信頼しているポルトガル商人たちが、重大な情報をもたらしました。それは、つい最近発見された日本と呼ぶたいへん大きな島についてのことです。彼らの考えでは、その島で私たちの信仰を広めれば、日本人はインドの異教徒には見られないほど旺盛な知識欲があるので、インドのどの地域よりも、ずっとよい成果が挙がるだろうとのことです。」(聖フランシスコ・ザビエル全書簡・河野純徳訳平凡社)

たしかに、孤立した島国の日本人は、情報の伝達が頻繁な大陸の民族とは異なり、遠い昔からまことに好奇心旺盛な民族であった。

ザピエルはさらに続ける。「このポルトガル商人たちとともに、アンジロウと呼ぶ一人の日本人が来ました。彼はマラッカから日本へ行ったポルトガル商人(ジョルジユ・アルパレス)が私のことを話したのを聞いて、私を探してここまで来たのです。このアンジロウは、青年時代に犯した罪についてポルトガル人に話し、こんな大きな罪を主なる神に許してもらうための方法を求め、私に告解したいと思って[マラッカ]来たのでした。・・・彼はかなりポルトガル語を話すごとができます。私が言ったことを理解しましたし、私もまた彼の話が分かりました。」

これが、ザビエルと日本の最初の出会いとなった。(玉里教会信徒・ザビエル上陸顕彰会会長)

鹿児島カトリック教区報2006年9月号から転載

お勧めの記事

中野裕明司教の紋章 1

鹿児島教区司教 中野裕明 「対話を通しての宣教」について 教区の皆さま、お元気でしょうか。 今回は「世界宣教の日」(10月20日)に因み、「対話を通しての宣教」についてお話しします。 さて、カトリック ...

中野裕明司教の紋章 2

鹿児島教区司教 中野裕明 「被造物を大切にする世界祈願日 すべてのいのちを守るための月間」について 教区の皆さま、お元気ですか。今回は日本の司教団が制定している「被造物を大切にする世界祈願日 すべての ...

中野裕明司教の紋章 3

8月15日は「太平洋戦争終結の日」であり、「聖フランシスコ・ザビエルによる日本へのキリスト教伝来」の日であり、「聖母被昇天の祭日」でもあります。これらの出来事において、「天の父の御心」が実現した日であることを感謝し、世界の紛争地に1日も早く平和が実現するように祈りましょう。

中野裕明司教の紋章 4

教皇フランシスコは、多くのキリスト信者の心を覆っていた「正義の神」、「裁く神」のイメージが「いつくしみ深い神」というイメージに転換することを強く望んでおられます。ミサの式文の中では祈りの冒頭に「いつくしみ深い神」が多用されていることに気づくのではないでしょうか。

中野裕明司教の紋章 5

6月は「イエスの聖心の月」です。イエスの心臓が茨の冠で拘束されながらも愛の炎を燃え上がらせているご絵を思い浮かべてください。このような熱い愛を、洗礼の恵みを私たちは受けているのです。

-門田明氏の鹿児島とキリスト教
-

Copyright© カトリック鹿児島司教区 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.