門田明氏の鹿児島とキリスト教

東市来のザビエル像

投稿日:2008年6月1日 更新日:

門田明氏の鹿児島とキリスト教㉒

新聞記事などお読みになってご存知の方も多いと思うが、元鹿児島大学学長を務められた石田兼文先生のご尽力で4月27日、東市来の鶴丸城跡に鹿大池川直先生がお作りになったザビエル像が建立され、除幕の記念式が行われた。300人余の人々が出席し、各界を代表する方々が次々賛辞を述べられた。

フランシスコ・ザビエルは1549年8月15日に鹿児島に上陸しキリスト教を伝えたが、9月にこの東市来を訪れ、15人に洗礼を授けたといわれている。

河野純徳著『聖フランシスコ・ザビエル全生涯』によると「鹿児島で天竺渡来の僧が説教していると伝え聞いて、市来城の家老も鹿児島へザビエルの説教を聴聞しに出かけた。この家老のとりなしで、ザビエルはアンジロウを伴い、鹿児島から6レグア(34キロ)の市来城を訪れた。ザビエルは城主新納康久より歓待され、家老の家に泊まって、城主の奥方や子供たち、家老とその家族、城内の召使など15人に洗礼を授けた。家老にはミゲルの霊名を与えた。・・・ザビエルは此処に数日間泊まり鹿児島へ帰った。」

その後彼は鹿児島をたち、平戸を経て京に上っている。京都から全国にむけ宣教するつもりであったが、思うに任せず、1551年11月、日本を離れた。

さて、これまでザビエル渡来からラゲ神父のザビエル聖堂建設まで、鹿児島にキリストを運んできた宣教師たちについて、池田敏雄『人物中心の日本のカトリック史』を参考に20回余にわたり勉強してきたが、一応今回をもって終了したいと思っている。ただこの勉強を通じて鹿児島カトリック教会史に対する興味が大きく膨らみ、本格的に調べてゆきたいと思っている。もしお仲間ができれば、研究会、読書会などできればなとも思っている。興味ある方はお声をかけていただければ幸いです。(玉里教会信徒・ザビエル上陸顕彰会会長)

鹿児島カトリック教区報2008年6月号から転載

お勧めの記事

中野裕明司教の紋章 1

自然界の太陽は、外面から人間を温めますが、この世を照らす光であるキリストは、わたしたちを内面から温め希望を与えます。その希望はいのちに関するものです。

中野裕明司教の紋章 2

教区の皆さま、お元気でしょうか。 今回は、11月第3主日から第4主日の間に実施される「聖書週間」に因み、聖パウロの言う「信仰の戦い」についてお話します。 1テモテ書に次の文章があります。 「しかし、神 ...

中野裕明司教の紋章 3

教区の皆さま、お元気でしょうか。 今回は「世界宣教の日」(10月19日)に、異邦人への宣教師である聖パウロに学びたいと思います。 ご存じのようにパウロは、生粋のユダヤ人でありながら、復活したイエスとの ...

中野裕明司教の紋章 4

神の像(ImagoDei)は神であり同時に人間であられるイエス・キリストであり、我々人間は、彼に似せて、あるいは、彼に向けて造られた存在(いのち)であることを、肝に銘じてこの月間を過ごしていきたいものです。

中野裕明司教の紋章 5

わたしたちキリスト者の希求する恒久平和とは、悪魔のわざである罪と死に勝利したキリストの復活がもたらす永遠のいのちにあずかることであります。

中野裕明司教の紋章 6

教区の皆さま、お元気でしょうか。教皇フランシスコの逝去後、わたしたちは新教皇として、レオ14世を頂きました。教皇は新任の短いあいさつの中で、前教皇が始めた「ともに歩む教会」の精神を継続する旨を表明なさ ...

-門田明氏の鹿児島とキリスト教
-

Copyright© カトリック鹿児島司教区 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.