司教執務室だより

若者の「うたふぇす」に学ぶ

投稿日:2014年3月1日 更新日:

2014-07-27 11-05-45カトリック青年連絡協議会。全国八教区で構成する教会の若者たちが運営するもので、手元のパンフレットには「情報交換と交流を通じ、教区を超えてカトリック青年の活動を支援し促進することを目的とし」とある。その活動の一つにネットワークミーティングがあり、年二回、教区持ち回りで開催されている。二月八(土)〜九(日)名古屋教区の多治見修道院を会場に開かれた二十六回目となる集いには百人余りが集まった。

テーマは「うたふぇす♪」とある通り、班ごとの分かち合いの質問も、「あなたの好きな歌は何ですか?」というもので、曲名と共に、それにまつわる思い出やどうして好きなのかが分かち合われた。彼らの好きな歌はまったく知らないものばかりだったが、ちょっとした人生論にまで発展して興味深いものがあった。

一人の若者が熱く語った。「ボクの好きな歌は否定的なものだが、生きるのは大変なことだと思うことの方が多い自分の気持ちを代弁してくれている。それが現実なんだと共感できる。」もう一人が言った。「自分は前向きになる歌が好きだけど、話を聞いて、否定的な歌でもそんな風に理解できることに気がついた。」

そんなやりとりの中で、なるほどと目を開かれた分かち合いも。「共感してもらいたくて歌を作るわけで、否定的な歌でも共感してもらえるなら、前向きな歌と言える。いや、歌は基本的に前向きにしてくれるもの。」思わず、「へーなるほど!」「幸せになるために生きるのではなくて、生活の中で幸せを見つけていく」という指摘は示唆に富んでいて、自らの生きる質を問う仲間の分かち合いに頷く若者たちの誠実さにも感動した。「たとえ、いやだと思うような現実の中にも、幸せになれるものを見つけることができるからポシティブ(前向き)に生きていこうよ」と励まし合っているようで、心が震えた。
そんな、教会の若者たちに希望と誇りを感じた。三月は巣立ちの季節。すべての若者たちに栄光あれ!

次回は九月十三(土)〜十四(日)埼玉教区、鬼怒川温泉センターで。鹿児島の若者の参加はなかったが、九月は一人でも多くの若者が参加できる方策を考えたい。

お勧めの記事

2025年聖年ロゴマーク 1

教皇フランシスコは、今年の主の昇天の祭日に2025年の「聖年」公布の大勅書『希望は欺かない』を発表しました。それで今回は「聖年」についてお話しします。聖年とは1300年に教皇ボニファチウス8世によって始められたカトリック教会の一大イベントです。

中野裕明司教の紋章 2

利害関係で構築されている政治の世界であっても、少なくとも神の国の価値観、すなわち「真理と生命」を大事にする政治家が増えることを願ってやみません。

中野裕明司教の紋章 3

鹿児島教区司教 中野裕明 「対話を通しての宣教」について 教区の皆さま、お元気でしょうか。 今回は「世界宣教の日」(10月20日)に因み、「対話を通しての宣教」についてお話しします。 さて、カトリック ...

中野裕明司教の紋章 4

鹿児島教区司教 中野裕明 「被造物を大切にする世界祈願日 すべてのいのちを守るための月間」について 教区の皆さま、お元気ですか。今回は日本の司教団が制定している「被造物を大切にする世界祈願日 すべての ...

中野裕明司教の紋章 5

8月15日は「太平洋戦争終結の日」であり、「聖フランシスコ・ザビエルによる日本へのキリスト教伝来」の日であり、「聖母被昇天の祭日」でもあります。これらの出来事において、「天の父の御心」が実現した日であることを感謝し、世界の紛争地に1日も早く平和が実現するように祈りましょう。

-司教執務室だより
-, ,

Copyright© カトリック鹿児島司教区 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.